Bath

AR(拡張現実)アプリケーションを使い、絵本の世界を拡張するARを使い、実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示することで、目の前にある世界を『仮想的 に拡張する』。それにより、物語は一枚の絵からシーケンスへと広がる。情報を伝える媒体の起源を辿ると、古代エジプトの壁画に辿り着く。古代の人々はそのイベントを記録し、 伝えるために壁面にそれを記録した。ロゼッタストーンにおいては王の功績や祭りについてヒエログリフや ギリシャ文字等で玄武岩に直接刻んでいる。大変な労力を用いて1文字1文字を刻み、その情報を記録し ている。紙が発明されて以降は、墨やインクを使いより手軽に情報を記録することができるようになった。 さらに、印刷技術が発達すると、聖書、新聞、本などが手軽に手に入るようになり文化の幅も広がった。そ して現在、情報を記録・媒介する手段は紙だけでなく、デジタルデバイスやクラウド、インターネットへと広 がっている。媒体のデジタル化により出版業界は印刷部門を縮小し、デジタルコンテンツに進出をしてい る。家の本棚に並べられた本たちも、場所を取るからとスキャンされ、PDF化しEブックに保存される時代 である。そのような中で、実際に本を手に取り、指でページをめくるという行為は自然淘汰されてしまうの であろうか。そういう未来が来てもおかしくない。今はまだ、本をめくるという行為はある。 その本に、ARで拡張情報を追加し、本の世界を広げる。本をめくりながら、片手にスマホを持ち、ページを 覗き込むと、その絵はシーケンスとなり動き出す。 本という物質的なメディアとデジタルメディアを実験的に組み合わせ、新たな行為を探索する。